舞台は日本の文化が残る西太平洋のマーシャル諸島、そして北海道上川郡東川町、旭川市、函館市。
マーシャル・ギルバート諸島慰霊巡拝団に参加した遺族の思い、そして現地で活躍する献身的な青年海外協力隊員を通じて、昭和史の一面と日本人の心に触れることができました。
1昨年の3月に長年の在外公館勤務を経て在マーシャル諸島共和国 日本国大使館大使を最後に外務省を定年退職された安細和彦氏の力作です。
安細さんは1988年、シンガポール首相の故リー・クアン・ユー氏一行とともに日本国外務省の担当事務官として道内を回られ、その後も旭川バーサーロペット大会にも参加されるなど北海道とも縁のある方です。
以来、在外公館勤務の傍ら、赴任地の歴史や生活習慣、文化等を紹介する“ご当地通信”をメールで配信され、これまでノンフィクション小説も出版されています。今回の小説は「マーシャルの対日観光促進を考える会」代表として最後の赴任地であったマーシャル諸島のPRを目的に北海道もその舞台となっています。
安細さんは長野県出身の方ですが、在外勤務の背景からは想像もできないほど巧みに北海道弁を使いこなす小説家(これをバイリンガルというのでしょうか?)にかかると、その懐かしくも聞き覚えのある方言に思わす自分も思わず吹き出しつつも、ストーリーの現場に居合わせているかのような錯覚を覚えます。
思い起こせが30年程前出張で上京した折、「ご一緒に夕食でも。」とのお誘いをいただき霞ヶ関近隣のレストランに赴くかと思いきや、何と安細さんの公務員宿舎にお招き頂き、奥様の心のこもった手料理をご馳走になりました。(その節は、美味しいおもてなしをありがとうございました。)
益々のご活躍をご祈念しつつ、いつの日がまたお会いできる日を楽しみにしております。
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