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日加友好交流三代

ジム&サチ・マクダナー夫妻挙式(1969年10月)

 私とカナダとの関わりは遡ること丁度半世紀前、母方の叔母の国際結婚が契機でした。私が小学4年生だった当時、故郷の三笠市に叔母のサチさんとともに参上した青い瞳の"叔父"ジムさん、紳士的な外交官で田舎育ちのシャイな日本人にも優しい眼差で微笑を絶やさぬ方でした。 

 

その後、カナダの親戚往来、3人のいとこと達の交流、エドモントン市でのホームスティ、カナダ留学を経て今日に至ります。アルバータ大学留学中の1992年にはオタワ在住の従姉妹クミさんの結婚式に参加したことから、さらに親戚も増え、帰国後も毎年グリーティングカードや家族写真、さらに冠婚出産ギフトの交換など長年交流を続ける中、1昨年の暮れに朗報が届きました。


 「【号外】クミさんの長男夫婦、ハネムーンでの初来日決定!」

 新婚カップルのジョシュアさんとアレクサンドラさんは昨年の2月に東京に到着し1週間余り、都内、大阪、京都、広島を観光した後、いよいよ北海道に上陸。札幌市内観光で一息ついた週末の夜、遠路はるばる来日した親戚をもてなそうと、個性派集団の親戚20余名が札幌市内のホテルに集結しました。 

 

 システムエンジニアの甥はお二人の幼少時代から結婚披露宴当日までの紹介ビデオを制作し会場にて上映。漫画家「もんでんあきこ」さんからは、サイン入りの似顔絵色紙と自作のコミックのプレゼント。

 

 さらに「マジシャンOGA」さんによるプロのテーブルマジックには参加者一同唖然。それぞれの得意技や必殺技を持ち寄り、歓迎会を大いに盛り上げてくれました。

 

パーティー終盤、ゲストのお二人からそれぞれ日本への関心や印象を語ってもらいました。道中、どこに行っても日本人は丁寧で親切だったことなど文化や習慣の違いを述懐しつつ、たくさんの土産話を携え翌日無事に帰国されました。

 カナダと日本の架け橋であった私の叔母、サチ・ マクダナーさんは孫の新婚夫妻の訪日を無事に見届けたかのように、その2ヶ月後の昨年4月に78歳の生涯を終えられました。

 

 生前、サチさんはオタワの日系人コミュニティの親睦活動や恒例の「チューリップフェスティバルinオタワ」での日本文化展の開催、さらに中東派兵カナダ軍の無事の帰国を祈る千羽鶴の寄贈など「なでしこの会」のボランティアリーダーとして活躍されました。 この間、2007年には長年に渡り両国の友好関係を深めた功績が讃えられ、在カナダ日本国大使館にて在外公館長表彰を受賞されるなど公私にわたり日加友好交流に尽力された方でした。

 聡明で器用、そして人から慕われるそのお人柄は子供や孫達にも受け継がれたようで、笑顔で好奇心溢れるジョシュアさんとアレクサンドラさんは、早速我々の前で折り鶴の制作をマスターし日本贔屓の一面を発揮してくれました。 

 

サチさんもきっとあの世から孫の代に引き継がれた日加友好親善の様子を微笑みながら見守っていることでしょう。カナダファンの私も、さらにこの先の世代へと友好の輪が広がっていくことを願って止みません。